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「しあわせー」
そう言ってへにゃ、と言葉通りなんとも幸せそうな顔で笑った長谷川。
瞬間、ドクンと心臓が跳ねた。
……なんだよ、それ。
俺は心の中で頭を抱えた。
こいつ、他の男の前でもこんな無防備なのか?
我ながら、年頃の女子の部屋に、しかも寝てるところに乱入するなんてどうかしてるって思うけど、目の前の彼女はもうそんなこと気にしていないようだった。
熱のせいでほんのり赤く染まった頬。
今にも涙が零れおちそうな潤んだ瞳。
微かに汗ばんだ肌に、緩く結んであるせいで乱れたの後れ毛。
男子部屋じゃ考えられないような片付いた部屋にぽつんとひとり布団の上に座る彼女は、いつもより小さく見えた。
ふんわりと香る彼女自身の香水かシャンプーか……甘い香りが、なんだか今日は強く鼻腔を刺激する。


