両手で辻村くんの胸を押して、赤くなった顔を伏せたまま必死にそう言うと、辻村くんは、え、と驚いたような声を上げた。
どうして驚かれるのか分からなくて、私は思わず顔を上げる。
するとばっちり視線が合ってしまった。
さっきの熱っぽい視線とは違って驚いたように私を見るから、今度は目を逸らさなくても平気だった。
「……どうしたの?」
「……いや。悪いお前熱あるんだよな。早く寝ろ」
今度は視線を先に逸らしたのは辻村くんの方だった。
私は戸惑いながらも大人しく横になって布団をかぶる。
「……見られてると寝れない」
「気にすんな」
「そんな無茶な」
むう、と頬を膨らませてみると、苦笑された。
「ひとりになったらなったで寂しいくせに」
「そ、そんなことないもん!!全然平気だしっ!」
がばっと布団を掛け直しながら、私は辻村くんに背を向けるように横向きになった。


