「な、にそれ……。分かってるよ、そんなの……」
辻村くんの言葉にどうしてか顔が熱くなるのを抑えられずに、だけど頬にある彼の手を振り払えなくて俯くこともできず、目線だけを伏せてそう返した。
どんな意味で辻村くんがそう言ったのかなんて分からないけど、なぜか無性に恥ずかしくなって。
「なんで目逸らすんだよ」
「だ、だって」
そろそろと視線を上げると、強くまっすぐな視線を向けられて、やっぱり恥ずかしくて再び目線を落とす。
無理だよ……!
こんな至近距離ってだけでも心臓どうにかなっちゃいそうなのに、目合わせるなんて……!
そう心の中で言い訳してたら、ふいにコツン、と額に質量を感じた。
それが辻村くんが額を合わせてきたからだって気付くのにそう時間はかからなくて。
すぐに離れていったけど、そんなふうにされることに慣れてない私の心拍数が上昇するにはそれだけでもう充分だった。
耐えられなくなって、私はようやくぐいっと辻村くんの身体を押し返す。
「は、恥ずかしいからやめて!」


