「……何度?」
「え?あ、うんとね」
辻村くんに促されて慌てて脇から体温計を抜くと、38度5分だった。
その数字を辻村くんに見せると、彼は一気に眉を顰めた。
な、なに?
なんで?
不安が積もる。
熱のせい?
私の心、すごく不安定だ。
「……ほんと、馬鹿」
呆れたようにそう言うから、私はすっかり泣きたくなってしまった。
せっかく涙、止まったのに。
「馬鹿」
もう一度、辻村くんはそう言って、胡座を解く。
そしてゆっくり、私の方に手を伸ばしてきて。
ぼんやりとその手を見ていたら、急にグイッと強い力で引き寄せられて。
……気付いたら、抱きしめられていた。


