「……えっと。取り敢えず、座ったら?」 部室の入り口で突っ立っている私と辻村くん。 このままじゃただの邪魔者なので、朱音ちゃんの言葉は深く考えないことにしてそう言う。 すると辻村くんは素直に私の後についてきて、私たちは部室の奥にある椅子に並んで腰かけた。 「……」 え、っと……? 何を話せばいいんだっけ……? 「美祈、話が終わったら辻村くんと一緒にグラウンドね」 「あ、はい」 部室を出ていく美涼先輩に返事をして、練習に出ていく部員の皆を見送ると、部室には私と辻村くんだけが残された。