初恋シグナル~再会は恋の合図~


選手がベンチに戻ってきて、コーチから指示を受け、水分を補給する。


近くで見ると、みんな意外なほどに生き生きとした表情をしていた。


……もっと、焦ったりイラついたりしてるかと思ったのに。



「3年の俺たちは勝っても負けても藤桜と試合ができるのはこれが最後だ。

夏休みから死ぬ気で練習してきたんだ。俺たちならできる。

……とにかく仲間を信じよう。藤桜相手じゃ弱いパスは通らない。

もっと強く蹴っていい。きっと受け取ってくれると信じて、もっと強気でいこう」



コーチの指示の後、ピッチに入る前に一紀先輩がそう言った。


その言葉に、選手のみんなが各々返事をして。


「おう」


「そうだな!」



なんて、明るくて気負った様子がないことに私はものすごく安堵した。



「……長谷川」



続々選手がピッチに戻っていく中で不意に辻村くんが私のところに駆け寄ってきた。