いつのまにマークを外したのか、前を見てそのボールを受けたのは、佐竹くん。
……あんなに厳しくマークしてたはずなのに…!
だけど気付いた時にはもう遅くて、思い切り足を振りきり、クク、と曲がりながら進むボールは。
……到底ゴールキーパーの手の届かないようなゴールの隅に、吸い込まれていった。
思わず、表情が歪む。
藤桜側のベンチからわっと歓声が上がった。
「まだ、わかんないよ」
「そうですよね、まだ前半ですし!」
1点、とられただけ。
夏の5点に比べたらなんてことない。
……なんて思えるほど、私たちはもう軽い気持ちで藤桜とたたかってるわけじゃなかった。
……悔しい。


