初恋シグナル~再会は恋の合図~



試合開始直後から、ボールは前線に上がらずに中盤で止まっていることが多かった。


私たちのチームはFWはひとりしか置かないワントップで、中盤の人数が多い。


中盤に上手い人が集まっている藤桜対策っていうのもあるし、もともとうちは守備重視のチームだから、うちの良さを出すにはやっぱりこのフォーメーションがいちばんしっくりくるんだ。


……だけど、うちの方がひとり多いはずの中盤からボールが前に出ないってことは、やっぱりそれだけ藤桜の選手が上手いってことなんだと思う。



試合は前半30分を過ぎても点数が動かず、両チーム無得点のままだった。



やはり藤桜のリズムになると何度か危ないシーンもあったけれど、なんとかその怒涛の攻撃を防いでいる。



今も、一体何度目だろうという藤桜のコーナーキック。



藤桜の選手が蹴ったボールは今までのそれよりも鋭く空を切り、ごちゃごちゃと人が密集するゴール前より少し手前に落ちた。



「え……?」