ピィー--ッ、とホイッスルが鳴り響いた。
ボールが、選手が、動き出す。
今日の試合の前に軽く挨拶をしに来た佐竹くんがやっぱりキャプテンで、そして藤桜の10番だった。
夏に会ったときと変わらない、整った容姿に飄々とした態度。
そしてどこか私たちを見下したような視線に、イラッとしたのは言うまでもない。
辻村くんに対してはそこでは何も言わなかったし辻村くんも何も言わなかったけど。
……佐竹くんが思ってることなんて、言葉にしなくたって伝わってきた。
「……夏みたいなことにはならないんだから」
あんなに点数、とらせないんだから。


