一紀先輩も、美涼先輩も、引退しちゃう。
せっかくチーム全体がまとまってきたのに……。
少しでも長く、このチームのままでいたいよ。
「長谷川」
「ぎゃあ!?」
校門を出てひとつめの角を曲がったところで唐突に声を掛けられて、驚いて思い切り変な声を上げてしまった。
ぎゃあっ、て……。
せめて、きゃあって言いたかったよ……。
と軽くへこんでいると、声を掛けてきた張本人、辻村くんが自転車を押しながらこちらに近づいてきた。
「どうしたの?」
「……や、別に」
「…………」
別にって何よ、って思ったけど、まぁいっか、とひとり心の中で頷いた。
だって、偶然でも帰りが一緒になるなんて嬉しいもん。
私の少し前を自転車を押す辻村くんが歩く。


