私の字ではない字で走り書き気味に余白スペースに書き込みがされた、日本史のプリント。
対応する問題集や資料集のページまで細かく書いてある。
「……これ」
よく見たら、青い印が入れられている部分は、さっき辻村くんに解くように指示された部分で。
赤くチェックが入っている問題は、私が間違えたり質問した問題だった。
気付いた瞬間、胸の奥がさっきとは違った痛みにきゅうと痛んだ。
……痛いほどに、嬉しかった。
これは確かに彩織さんの代わりでもなく、私のためだけのもの。
自分の勉強の片手間に、なんて言いながらもこんなに真剣に私の勉強を見てくれてるなんて気付かなかった。
「っ」
ギュッと、プリントを掴む手に力が入る。
やっぱり、私。
辻村くんのこと、好きだ────。
彩織さんがいたって、いい。
かなわなくったって、いい。
私は私なりに、辻村くんを想っていけばいいんだ。


