時間が経って、だんだんと辻村くんの言った「変なこと」の意味がわかってきた。
さっきはびっくりしたのと、そして彩織さんのことで照れる暇なんてなかったけど。
……キス、だよね……?
「っ!!」
手首でも、キスはキスだよね?
そう思ったら急に顔が熱くなって、ドキドキと鼓動が走り出した。
なんで?
なんで、私にこんなことするの?
「……彩織さんの代わり……?」
さっきまではドキドキと高鳴っていた心臓が、ドクンと嫌な音を立てる。
ぽつりと呟いた悲しい憶測に、自分で言っておいてその言葉に心が泣きそうに痛んだ。
……痛い。
痛いよ。
開け放たれた窓から夕方らしいひんやりとした風が入り込んできて、ふんわりとカーテンを揺らした。
やっと日が落ちて気温が下がってきたようだ。
カーテンを揺らした涼やかな風が私の火照った頬を撫ぜる。
机に置いてあったプリントがパラパラと床に舞い落ちて、私はそれを拾い上げるためにようやくベッドから腰を上げた。
「……あれ……?」
一枚一枚拾い上げているうちに、見覚えのないプリントが私のプリントの中にまざっていることに気が付く。


