「っ!?」
私の首筋を撫でた手で、辻村くんは私のその手を掴んだ。
そのまま持ち上げられた無防備な手首の内側に、柔らかいものが触れる。
私は抵抗することもできずに、自分の手首に辻村くんの唇が押しつけられるのをただただ信じられない思いで見つめることしかできなかった。
「な、に……」
微かに漏れた私の声は掠れていた。
どうして。
どうしてこんなことをするんだろう…。
心臓が痛い。
涙をこらえるときのようなツンとした痛みが鼻の奥に走った。
ねぇ、どうして。
……どうしてそんな怖い顔で私を見るの?
怒ってるの?
私、何か悪いこと、言った……?
「……嫌ならそう言えよ」
眉間に深く皺を刻んだまま、辻村くんは絞り出したような声でそう言った。
「そんな泣きそうな顔するくらいなら、拒めって……」
そう言った辻村くんは相変わらず怖い顔をしていて、私はもうどうしたらいいのかわからなかった。


