初恋シグナル~再会は恋の合図~



「お願い、待って」


タタッと駆け寄ってくる気配と同時に、歩き出そうとしていた辻村くんの身体が動作を止める。


彩織さんが、私を掴む手とは逆の辻村くんの腕を掴んだのだ。



「……離せよ」


「真二くん、少しだけでいいの。話をさせて」



そう言った彩織さんの言葉は、今にも泣きだしそうな声だった。



「今更なんの話があるって言うんだよ。……もう二度と来んな。離せ」


「私」


「離せよ!!」


ビクッと驚いたように彩織さんは身体を竦ませ、辻村くんを掴む手が緩んだのだろう、辻村くんはするりとその手を外すと、前を向き歩き出した。


グイッと引っ張られ、私も歩き出す。



ちらりと後ろに視線を向けると、彩織さんはひどく悲しそうな表情で、泣きそうな瞳で、辻村くんの背中を見つめていた。