初恋シグナル~再会は恋の合図~


言い終わると同時にぶわっと溢れた涙に、私は思わず両手で顔を覆った。



「長谷川、もういいから」


「……辻村くん」


ぽん、と優しく頭に手が置かれて思わず顔を上げると、苦笑交じりの辻村くんと目が合った。



久しぶりにまっすぐ絡んだ視線に、ぎゅっと胸が竦む。



「……なんだよ、謝れって。

俺だって今まで一生懸命やってきたんだ。

でも、それだって報われないんだろ?

どんなに綺麗事を並べたって、藤桜に勝つどころか1点入れることもできねぇよ。

所詮、俺たちなんてその程度なんだよ」



投げ捨てるようにそう言ったのは、松田先輩だった。


彼も他の選手と同じように、前半はいつもとは比べ物にならないくらい、気のないプレーをしていた。


……ううん。


もしかしたら、松田先輩がいちばん、投げやりになっていたかもしれない。


ずっと守ってきた10番の座をあっさり奪われて。



松田先輩の気持ちも分からなくもない。


だけど、所詮その程度、だなんて。


そのセリフだけは、許せなくて。