────ピィーーッ、とホイッスルの高い音がグラウンドに響き渡る。 試合開始の合図だ。 爽やかな風がグラウンドを吹き抜け、暖かい日差しが選手たちを照らしている。 プレーをするわけじゃないのに、なんだか私までドキドキしていた。 ……藤桜相手で、皆緊張してるかな?なんて心配したのは、試合が始まってほんの15分の間だけだった。 「……先輩、これって…」 ベンチに座っていた私は、呆然と呟いた朱音ちゃんの言葉に、ハッと我に返る。 ……それくらい、私も呆然とするしかなかったのだ。