初恋シグナル~再会は恋の合図~



ちらりと、メンバーの書かれたホワイトボードを見ると、今までにないくらい、1年生から3年生までが混在したチーム編成になっていた。


今までは、3年生プラス、2年生2人、だった。

だけど、今日は。


3年生と2年生の人数は半々くらい。


プラス、1年生もいる。


メンバー発表を終えた時点で、明日の最終日に行われる他校との練習試合のためにユニフォームが配られて。


……正規の司令塔として、10番の背番号を獲得したのは、松田先輩ではなく。


辻村くん、だった。



松田先輩も、MFとしてメンバーから外れることはなかったけれど、明らかに面白くないようで始終厳しい顔をしていた。


一紀先輩から乱暴にユニフォームを受け取った時の松田先輩の表情も、態度も、この結果に納得していないことをはっきりと表していた。



それに対して辻村くんは、何の感情も読みとれない、動じることなどない様子で自分のユニフォームを受け取っていた。



「……心配」


こっそりつぶやいた言葉に、朱音ちゃんも。


そして、その隣にいた美涼先輩までもが、頷いた。