「……辻村くん!」 歩きはじめてしばらくして、ようやく辻村くんは立ち止まってくれた。 ……ジンジンと、思い出したように足が痛みだす。 「……悪い」 「え?」 一体何を謝るんだろう、と思って首を傾げた。 「足。痛むだろ」 「……大丈夫だよ」 心配されたことが妙にくすぐったい。 どうしてそんなふうに感じるのかは、分からないけど。 「それより、よかったの?」 「何が」 「……さっきの子、知り合いだったんでしょ?」 そう訊いた瞬間。 辻村くんが微かに眉を顰めた。