気付けばそんな可愛くないことを口にしている。
……ううん、そういう意味で好きじゃないのは本当のことだけど。
言う必要のないことだったって、言ってから気が付いた。
「そんなんさっき聞いたから知ってるし。
つーか、別に好かれたいとか思ってねぇから」
「何よそ」
れ。
────そう言い終わる前に。
私の横から不意に聞こえた驚いたような声が。
「真二くん……!?」
呟くように、そう辻村くんを呼んだ声が、割り込んできた。
鈴の音のような、綺麗な声…。
その声の主の方に視線を向けると、そこには、口元に可愛らしく手を当てた、小柄な美少女が立っていた。


