「……」
ていうか何か言ってよ~!!
無言とか、余計怖いんですけど!!
「す、鈴本くん、だから私たちそういうんじゃないから!
そもそも、私べつに辻村くんのこと好きじゃないから!
そういう関係になるわけないからーっ!」
重苦しい沈黙に耐えられなくなって、気付けば私はそう叫んでいた。
「……って、長谷川は言ってるけど」
「……ならそうなんじゃねぇの」
恐ろしく低い声で辻村くんはそう言って、私たちに背を向けると、足早に歩き出した。
……っていうか!!
よく見たら鞄持ってるよ!
帰る気満々だったよこの人!!
「ちょ、辻村くん、帰るの!?」
遠ざかる背中に声を掛けるけど、何も返してくれない。
……ぎゅっと、胸が痛んだ。


