ダン、ダン、と床にボールをつく音。 仲間に指示を出す声。 きゅっ、と靴底が床を擦る音。 全部、歓声にかき消されているはずなのに、まるで漫画の中みたいに鮮明に耳に届く気さえする、綺麗なバスケ。 「……すごいね」 隣で呟いた弥代に、私は黙ったまま頷いた。 ────パシュッ、という気持ちのよい音が、まるで世界から隔離されたように他の雑音を全て薙ぎ払って、鮮やかに響いた。 その音と同時に鳴ったはずの、試合終了を告げるブザーが一瞬遅れてビーッ、と鳴り響く。