「辻村くんて可愛げないねー」
前を向きながら、はぁ、とため息交じりに言う。
あと5点かー…。
でも2教科合わせたら10点差かー。
そう考えると途端にすごく離された気分……。
「お前結構失礼だよな」
「辻村くんには苦手な物がないわけ?」
「あるに決まってんだろ」
どうせ「そんなものない」という返事が返ってくると思っていたら思わぬ返答で、びっくりして私は再び辻村くんを振り向いた。
「なになになに!?」
「古典」
「うっそーーーっ!」
思った以上の普通な回答に驚いて、さっきより大音量で叫んでしまった。


