学校の終わりを告げるチャイムが鳴ると同時に、あたしは家に向かった。


いつも通っているはずの通い慣れた道なのに、何故かその距離がとてつもなく遠く感じて・・・。


玄関の鍵を開けるのももどかしく、あたしは俊哉に声をかけた。


「ただいまー。・・・俊哉?」


俊哉から返事はなく、静寂だけが返ってくる。


なんだ。いないじゃん。


嘆息をもらし、リビングへと向かい、ソファに腰を下ろす。


俊哉の「おかえり」っていう声が聞きたかったな。


今日の夜は帰ってこないんだっけ・・・。


久しぶり・・・四日ぶりの一人の夜だ。


どうしてだろう。


3年間ずっと一人だった。


寂しさなんてわりきって、一人で過ごして来たはずなのに・・・。


「一人にするな、バカ・・・。」


寂しいよ。


怖いよ。


不安だよ。


ねぇ、俊哉・・・。