その瞬間、彩音の体がグラリと力をなくす。




「お…おい…彩音?」




俺はしっかりと彩音を抱き止めた。





そして、気を失っている彩音に



「彩音ッ。」




もう一度声をかけた。




…なんなんだ、こいつ。



頭撫でて耳元で喋っただけだぞ?



俺は少し楽しくなって口の端を上げる。



…こんな想定外な女、初めてだ。