…ドキドキが止まらない…。 私ははぁと小さな熱いため息をこぼした。 …何だろう…この感じ…。 私は胸元を抑えて今まで感じた事のない感覚を味わった。 …「お前も言い返せる位になってみろよ。」 彼の言葉が耳を掠めた。 低く響く彼の声は厳しいけどどこか優しい感じがした。 私は胸元の手をギュッと握りしめて口元を緩ませた。 …あの人に負けないくらい強くなってやるッ!? 私は心にそう誓った。 ──私が…それを“恋”だと気づくのはもう少しだけ先の話。