その時、 「…無能なヤツ程、偉そうだな。」 低く響く声に私は慌てて顔を上げた。 そこには前髪が少し長めの真っ黒なサラサラな髪、切れ長の瞳、透き通るような白くキレイな肌に色っぽい口元のほくろの男の人が立っていた。 …それが彼だった。 初めて見るその人に ……だ…誰…ッ?! 驚いたその瞬間、 「カイ、何してんだ?」 ひょこっと顔を出したのは穂浪さんだった。 穂浪さんは企画課の係長で年齢は確か28か9。 茶髪で少し軽い感じの人だ。 イケメンらしくファンも多い…らしい。