その時、開店の合図の曲が流れた 皆は静かに、ホールに出ていった 重たいドアがパタリと閉じる 一人になったスタッフルームは すごく静かで、虚しい気持ちになる 私も行かなきゃ 化粧ポーチをロッカーにしまい 濡れた鏡を見る 私は最後に全身鏡で姿を確認して お得意の作り笑顔をした 今まで積み上げてきたものが 崩れないように大丈夫、大丈夫 何度も自分に言い聞かせて 強く拳を握る 私は、私が嫌いだ かっこ悪いのは私の方じゃないか