「お菊さん…

いいから下がって?」

私はお菊を止め、微笑んだ。

・・・

お菊は心配そうに私を見つめ、

仕方なく部屋を出ていった。

・・・

「何ですか、帝様?」


「食事を食べないと聞いてる」


「・・・調子が悪いだけです」


「…ウソをつくな」


「・・・」


「光源氏の事は忘れろ」


「?!!」

「私だけを想ってくれ・・・

日に日にやつれる朱音を見ているのは

忍びない・・・

あんな男の事は、もう考えるな」

・・・

そう言った帝は、

私を強く抱きしめた。

私はそれを不快に感じ、

離れようとする。

でも、

帝は決して離そうとしなかった・・・