月明かりに照らされたその顔は、

光源氏のものなんかじゃなかった。

・・・

「・・・帝…様」

「・・・」

・・・

とても切なげな眼で見つめられ、

その後の言葉が思い浮かばない。

・・・

「そなたは、そんなにまでして、

光源氏が恋しいか・・?」


「・・・」


「私はすべてを持っていると言うのに、

光源氏の方がいいか?」



「・・・ん?!」

・・・

困惑する私を、

帝は強引にキスをし、

服をはぎ取る。

私は泣きながら、

必至に抵抗を試みる。

・・・でも、それは叶わない。

・・・

バタバタバタ!!

廊下を小走りに走ってくる

足音が聞こえてきた。