・・・

私とお菊は、部屋へ通された。

・・・

「光はもうお屋敷に?」

私はすがるような目つきで、

お菊に問いかけた。

・・・

「・・・はい。

一週間とは、本当に長かったようで。

食事も質素で、おやつれになり…

でも、とても元気そうでありました。

私がここに来る時も、

朱音様の事ばかり、心配なされておりました」



「・・・光」

私は顔を覆い、声も出さずに泣いた。


「朱音様は、

源氏の君様が恋しいのですね?」

・・・

お菊の問いかけに、何度も頷いて見せた。

・・・

それを見たお菊は、

優しく微笑み、

「何とか時間を作り出し、

源氏の君様に、会わせて見せますから、

それまではどうか・・・」


「…お菊さん」

私はお菊に抱きつき、泣き続けた。