「・・・ホント?」

・・・

潤んだ目で、

光源氏を見つめる。

「男に二言はない。

私の事は、光と呼べ。

親しいものしか呼ばない呼び方だ。

・・・それから。

そんな出で立ちでは、

屋敷まで帰れそうにないな。

そうだ。これを体に巻きなさい」

・・・

そういって、

綺麗な布を私に、

着物を着てるかのように巻きつけた。

・・・

「・・・はて。

髪の色はどうした物か。

この国に、茶色い髪の毛の者はおらぬ」

そう言って、

私の髪に触れた光。

「・・・あの」

「異国の国から来たことにするか」

そう言うと、

私の髪を束ね、おだんごにすると、

烏帽子をかぶせた。