・・・

廊下を歩いていると、

通り過ぎる人々が、

私を凝視する…

私は恥ずかしくて、俯いた。

・・・

「そなたが美しすぎるのだ。

背筋を伸ばし、前を向かれよ。

そうすればもっと、皆が認めてくれる」


・・・

そんな事を言われても。

・・・

・・・・・・?!

廊下の向かいから、

知った顔が歩いてくる。

私を見つけるなり、

とても優しい笑顔を向けてくれた。


「…お菊さん」


「…朱音様、私をわざわざ仕えさせていただけて、

これほどまでに嬉しい事はありません。

誠心誠意、お仕え致します・・・

帝様、朱音様に仕えさせていただき、

誠になんと言ったらいいか・・・」


「…構うな。

朱音の希望だ。十分に仕えてやってくれ」


「かしこまりました」