私は目も合わせず、

そっぽを向いた。

・・・

私なりの小さな抵抗だった。

「お菊とは、どこの女中です?

今すぐここに呼びだし、

朱音の下に付かせよう・・・

だが、君のにはこの十二単を着てもらわねば、

そなたは男だと間違われる。

私のいう事が聞けぬのなら、

ここで押し倒してもよいが?」


「?!!」


「フッ。

朱音、私のいう事を聞いてくれるか?」


「…お菊さんが、

来てくれるなら・・・」


「今すぐ呼び出そう」


・・・

私は渋々十二単を着ることに・・・

・・・

「まぁ、綺麗ですこと」

「朱音様は、十二単がよくお似合いに

なられます」

女中に言われ、

ほんの少しだけ、恥ずかしくなった・・・