「え、あの・・」

「・・・泣くな」

「・・・」

「女のなく顔は見たくない。

私が帰してやろう。

家はどこだ?」


「…東京都、青山」

「・・・」

・・・

私の言葉に、

当然ながら、固まる。

・・・

「貴方の名前、私知ってる。

光源氏の君。恋多き、妖艶な男」

・・・

ズバリ言い当てられ、

更に固まった光源氏だったが、

次の瞬間、

大きな声で笑い出した。

・・・

「やはり、朱音は、

神の使いの者に違いない。

帰れるまで、私の傍にいればいい。

私の傍を離れるな。

必ず、何事からも守ってやるから」