「しかし、先ほどは驚いた。

朱音が空から落ちてきたのだから」


「・・・え?」

驚く私に、

光源氏は苦笑い。

・・・

「こんなに澄んだ空。

上には何もないと言うのに、

どうやって落ちて来たのか。

そなたの出で立ちといい、

空から落ちてきたといい・・・

そなたは神から使わされた身か?」

・・・

まさか。

そんなことはありえない。

私はただの平凡な女子高生。

そんな大そうな身であるはずがない。

・・・

「・・・帰りたい」

なんだか心細くなってきた私は、

涙目で呟いた。

・・・

すると、

ふわっと優しく

私を包み込むように、

光源氏が私を抱きしめた。