男に美しいと言ったら、

失礼かな?

でも、その言葉ピッタリなほど、

彼は綺麗な顔立ちだった。

・・・

「私の名は、光源氏。

・・・そなたは?」


・・・え?!

ひ、光源氏?

あ、ありえない。

光源氏って言ったら、

物語の中だけの人じゃ・・・

・・・

固まる私に、

光源氏は諭すに言葉を発した。

・・・

「・・・そなたの名は?」

「…朱音」

「朱音・・か。綺麗な名だ。

しかし、その不思議な出で立ちはなんだ?

見たことがない」

「・・・」

そりゃそうだろう・・・

私は平成の世から来たのだから・・・