「すぐに帰るから、ね?お願い」

・・・

しばらくねだったいると、

根負けしたのはお菊。

・・・

「じゃあ、ほんの一時ですよ?

源氏の君様のお勉強が終わるまでに、

帰ってこなければ、叱られます」


「うん、もちろん!

ありがとうお菊さん」

満面の笑みでそう言うと、

お菊も嬉しそうに微笑んだ。

・・・

外でのお散歩を満喫した私とお菊は、

怒られないうちに、

屋敷に戻る事に。

・・・

これはきっと天罰なんだろうか?

・・・

ガラの悪い集団に取り囲まれ、

私もお菊も、

どうしていいかわからない。

・・・

「お菊さん、逃げて?

私は何とかなるから」

怖くてたまらないけど、

私のせいで、お菊まで怖い目に

遭わせるわけにはいかない。