「やっぱり、よくお似合いです」

「フフ、そう?」

・・・

風呂敷から取り出したのは、

女物の着物。

それから化粧道具。

・・・

お菊はそれに着替えさせて、

化粧を施してくれた。

・・・

私はウズウズした。

だって、

こんなに可愛い格好をしたんですよ?

ちょっと、外を

歩いてみたいじゃない?

私はお菊に無理を頼んだ。

・・・

「ほんのひと時でいいの。

お菊さんも一緒に、

外をお散歩しましょう?」


「…ですが、

源氏の君様の

お許しをいただいてからじゃないと」

お菊は困惑の表情を浮かべる。