「…イタ」

・・・ん?

痛い?

私、死んだんじゃないの?

・・・

あんな高いところから落ちたのに、

生きて・・る?

・・・

「・・・やっと、

目を覚まされましたね?」

・・・

目の前には、

歴史の授業で見たことのある、

着物姿の男が一人。

頭には烏帽子を付け、

私を見つめる眼差しは、

とても優しげな…

・・・って!!

・・・

私は飛び起きた。

「アンタ、誰?」

私は男を睨んだ…が、

その睨みもすぐに消えた。

・・・

男はあまりにも、美しい。