・・・それは、

私は貴女に、

見初められた、ということでしょうか?

・・・

呆気にとられていると、

他の姫までもが、

私を取り囲むように、群がった。

・・・

勘弁してほしい。

私は正真正銘、女です~。

・・・

「姫さま方。

あまり朱里を苛めないでいただきたい」

・・・

スッと間に割り込んで、

助け舟を出してくれたのは、

もちろん光。

・・・

私は安堵の溜息をつく。

・・・

「あら、源氏の君様、

嫉妬なさっておいでですか?」

一人の姫が言う。

光は微笑み、

「私以外の男がもてはやされるのは、

やはりいい気がいたしませんな?」

と、上辺だけの言葉を発する。