私は驚いて飛び起きた。

・・・

「・・・あ」

部屋に入ってきたのは、

さっきの少女。お菊。

・・・

「す、すみません・・・

お休みの所・・・」

お菊は真っ赤な顔で土下座した。

・・・

私は慌ててお菊の頭を上げさせる。

「そんな、気にしないで。

それより、何か用ですか?」

優しい口調で聞けば、

・・・

「源氏の君様から、

朱里様の着物の用意を頼むと言われ、

持ってまいりました」

・・・

ふすまの所に、

着物が積まれていた。

「ありがとうございます。

これから色々お世話になると思いますが、

宜しくお願いします」

そう言った私。

・・・

お菊は必死に首を振る。