「…朱音」


「・・・」

私を呼ぶ懐かしい声。

ふと、

目を開けると、そこには、


「光源氏」


「…やっと目を覚ましたか」


「…私」


「そなたに会いたくて、会いたくて、

胸が張り裂けそうだった」


そう言った光は、

涙ぐみ、でも笑顔でそう言い、

私を優しく抱きしめた。

・・・

「私も・・・会いたかった」

抱きしめてくれてる光の体を、

私も確かめるように、きつく抱きしめた。

・・・

「これは現実なんだよね?」

「・・・」


「・・・光?」

「私はいつも、そなたの近くにいる。

だから、それを忘れるな」