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間もなくして、

臨月を迎えた私は、

出産の為、

とある場所にやってきた。

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とても静かで、

産婆さんや、お菊くらいしかいない

山奥の屋敷。

・・・

いよいよ出産と言うところで、

赤ちゃんに異常があったのか、

なかなか生まれてこない。

現代なら色々と手を尽くせるが、

今は何もない時代。

難産で、

でも、自分の力で産むしかない。

必至にいきんでいると、

誰かが部屋に飛び込んできた。

・・・

「源氏の君様」

お菊が叫ぶ。


「こんなところで何をしておいでです?

殿方は出ていってください」

産婆さんが怒る。