光源氏の腕の中【仮】

「…神の子?

・・・やはり・・・

帝とはまだ何もないのか?」

・・・

ハッとした。

神の子と言ってしまえば、

帝との関係が、バレてしまう。

そんなことわかりきったことなのに、

そう言ってしまったのは、

やっぱりわかってほしかったからなのか。

・・・

「帝は、私の旦那様です」

・・・

光の問いかけに、

否定も肯定もせず、

私はその言葉を発した。

・・・

「やはり、朱音の事を放っておくなどと、

そんな事は出来ぬ…

朱音、今宵・・・

私とここから逃げよう…」


「そんな事!・・・

そんな事は私はしません。

こんな時代に来て、歴史を変えてしまったのに、

もっと、貴方の人生を変えてしまうなど。

私にはできない・・・

光源氏は、位の高い

皆の大事な人なのだから・・・。

私はもう、貴方とは二度と

会わないし…触れない」