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私の体調不良から、

妊娠の事が分かり、

都中に話が広まっていた。

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帝のお子が生まれると、

大変喜ばれ、毎日のように、

たくさんの贈り物がなされていた。

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でも私や、帝だけは、

手放しに喜べないでいた。

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お腹の子は、

帝の子ではないのだから。

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それから数日後。

私は夜眠れず、

外に出た・・・

屋敷の外にある、

小さな池の前で、

しゃがみ込んだ私は、

水面に映る、月を眺めていた。

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本当に、この子を産んでもいいものか。

・・・

後ろに近づく人影にも

気づかなかった。