「み、帝様は、それをご存じで?」


「…うん、知ってる」


・・・

私の答えに、

お菊は黙りこむ。


・・・

無理もない。

旦那様と違う人の子を宿すなんて、

普通に考えても、

私の時代の人たちが聞いても、

ありえない大事件だもの。


「…帝様はなんと?」


「神様から授かった子だと。

だから産みなさいって・・・」


「さようにございますか・・・

それでは、朱音様は何も考えない事です。

考えるなら、お腹のお子の事だけを・・・

私も出来る限りの事は致します。

だから、ご無理だけはなさいますな・・・

よろしいですね?」


そう言ったお菊は、

いつものような優しい笑顔で、そう言った。

・・・

私は静かに頷いた。