ドクドク ドクドク ドクドク ドクドク

心臓の音が…。
心臓の音がすごい。


こんなことで。
こんなことで、私が緊張するなんて。



初めてだ。
こういう経験も、こんなに緊張することも。




「おい、入れ。」

「…。…。…はい。」


ガラガラ


「…。」

うわっ。
目が。目がいっぱいだ。
怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い



「ふっ。お前の顔のが怖いぞ。」

「えっ?」

『キャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー』

…うるさい。
思わず耳を塞いでしまった。

どうせ、隼人でしょ?

で、本人は?


あらら。
顔が引きつってますよお兄さん。

「はじめまして。松沢 隼人です。」

『うわっ!?マジでかっこいいんだけど。』

『どーしよー。目が合っちゃった。』

『やっぱ名前もかっこいー。』




 。

うるさい。
やっぱりどこの高校も同じなんだね。

「おら、お前らうるせーよ。だまれ。」



しーーーーーーん。



怖っ。

教室の、一番後ろの、廊下側の席の、えらそーに足を机に置いっちゃってる