うそ…。
いきなり家のドアが開いたとおもったら、まさか…さっきの人だなんて。
まぁ、鍵閉めなかった私も悪いんだけどさ、これって不法侵入だよね?
「大丈夫?芽衣ちんっ♪」
「は?芽•衣•ち•んー?なんで…、なんで、その名前。」
私は 萩原 芽衣 ハギハラ メイ。
私はこの人に名前を名乗ってもないし、この人の名前も知らない。
なのにどーして?
「ハハ。
まぁ、話は後でな。」
そう言って私の頭をポンポンと二回撫でると、持っていたケータイを私に渡して
「それで、撮っときな。父親の最後の姿だ。」
「え…」
どういうこと?
最後?
この生活を終わらせてくれるの?
…殺すの!?
「イヤーーーーーーーー!!!」
きづいたら私の制服や手や顔が真赤に染まっていた。
そして、わたしの目の前にはいつも見慣れた茶色いフローリングがキレイな赤に染まっていた。
血を、ましてや親の血をキレイだなんて思ってしまうわたしは本当におかしくなってしまったんどろうか?
でも、そう思わずにはいられないほど、その時の私は混乱していたとみんな言うだろう。
まぁ 、たしかにそれもあるのかもしれない。
でも、私は…わたしの目には悪者を倒したスーパーヒーローの真似をする小さい子供のように、キラキラと微笑んでいる雪がいたんだ。
だから、
だから、同情なんてしない。
天罰がくだったんだ。
だから、
だから私はもう泣かない。
泣かないと心に決めた。

