after rain 〜虹を待ちつづけて〜

そんな前から…?


「まぁ、その天野の目は侑を見ていたものだったんだって思うと…なんか複雑な気持ちになるけどな。」


苦笑いをしているのが、暗いけどわかった。


「何年も片想いしてさ、この前天野と付き合えるようになってすげぇ…あの状況では不謹慎だけど、嬉しかったんだ…。」


苦笑いから、今まで以上に真面目な顔になった。


「さっき、謝ったけど…謝ることねぇよ。俺は天野の弱ってるところにつけこんだ最低な男なんだから……。」


「…香坂くんは…!最低なんかじゃないよ…!」


私は声を張り上げて言った。


「私…ホントに香坂くんがいてくれたから、支えてくれたから心が少し楽になれたんだよ?香坂くんがいてくれなかったら…私今頃どうなってたか…。」


1人で抱え込んで自分が壊れてしまっていたかもしれない。


香坂くんの存在は、確かに私の中で大きなものだった。