after rain 〜虹を待ちつづけて〜

「これ、2人で作ったの?」


侑が璃音に尋ねた。


「う、うんっ。葵のアイディアなんだけどね。」


「へぇ~。美味いよ、また食べたいくらい!」


「ホントッ?じゃあまた作ってくるね。」


私はそんな2人のやり取りを横目で見ていた。


幸せそう…。


侑の璃音に向ける笑顔は、璃音が侑に向ける笑顔は私には向けられないものだ。


あんなに2人が幸せそうに笑うなんて。


「天野さんっ、もっともらっていい?」


他の部員の人に声を掛けられたのでそれに対応した。


「どうぞ。いっぱい作ってきたんで、遠慮せずに。」


「やった!」